食料品の消費税は1%になる?2027年4月開始の政府方針と家計への影響
「食料品の消費税が実質ゼロになる」というニュースを見て、最初に気になったのは、結局いつから、何%になるのかということでした。
ニュースでは「1%」「実質ゼロ」「2027年4月」「9月」など複数の数字や時期が出てくるため、私も最初は9月からスーパーの税率が変わるのかと思っていました。
政府の資料を確認すると、現時点での基本方針は比較的はっきりしています。
現在の食料品の軽減税率は8%。政府は2027年4月1日から2年間、対象となる飲食料品の消費税率を1%にする方針です。
つまり、2026年9月から1%になるわけではありません。
また、「実質ゼロ」と報道されていても、レジで払う消費税そのものを0%にする仕組みでもありません。
毎日の買い物に直接関わる話なので、何が決まり、家計がどのくらい変わる可能性があるのかを順番に見ていきます。
食料品の消費税1%はいつから?現在はまだ8%
政府は2026年8月5日、「給付付き税額控除」の導入に向けた基本方針を閣議決定しました。
その中で、2029年度から予定している所得に連動した給付を本格導入するまでの経過措置として、2027年4月1日から2年間、現在の軽減税率対象となっている飲食料品の消費税率を1%にする方針を示しています。
ここで一番間違えたくないのが時期です。
2026年9月から減税が始まるわけではありません。
現時点でスーパーなどで購入する対象食料品には、これまでどおり8%の軽減税率が適用されています。
そのため、「食料品1%」というニュースを見ても、今すぐレシートの税率が変わるわけではないと考えておく必要があります。
「実質0%」なのに税率が1%なのはなぜ?
私が一番分かりにくかったのはここでした。
「実質ゼロ」と「1%」が同時に出てくるからです。
政府の基本方針では、食料品の税率を1%に引き下げるだけでなく、飲食料品にかかる消費税1%相当分の範囲内で、所得に連動した給付を2027年度に先行導入するとしています。
つまり、
買い物時の税率を1%にする
+
1%相当分の給付を組み合わせる
ことで、全体として食料品にかかる消費税負担の「実質ゼロ化」を目指す仕組みです。
そのため、
「スーパーの食料品が消費税0%になる」
という理解とは少し違います。
給付の具体的な仕組みや対象など、今後さらに確認が必要な部分もあります。
1%になる食料品はどこまで?
では、スーパーで売られているものなら何でも1%になるのでしょうか。
基準になるのは、現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品です。
国税庁によると、現在の軽減税率の対象は、原則として酒類と外食を除く飲食料品です。
米、肉、魚、野菜、パン、牛乳、調味料など、普段スーパーで購入する多くの食品が該当します。
一方で、酒類や外食は現在の軽減税率の対象ではありません。
また、同じ食べ物でも扱いが変わる場合があります。
例えば、テイクアウトは現在8%の軽減税率の対象ですが、店内の設備を使って食べるイートインは外食として10%です。
今回政府が示している1%への引き下げも「現在軽減税率の対象となっている飲食料品」が対象なので、すべての飲食代が1%になるわけではありません。
食費5万円ならどのくらい変わる?
制度の説明だけでは家計への影響が分かりにくいので、単純な例で考えてみました。
税抜価格1万円の食料品なら、現在の8%では税込10,800円です。
税率が1%になり、本体価格が変わらないと仮定すると税込10,100円。
差は700円です。
毎月の食料品代で考えると、差はさらに分かりやすくなります。
| 現在の月間食料品代(8%税込の目安) | 1%になった場合の単純計算上の差 |
|---|---|
| 約30,000円 | 約1,900円/月 |
| 約50,000円 | 約3,200円/月 |
| 約80,000円 | 約5,200円/月 |
例えば現在、軽減税率対象の食料品に月5万円ほど使っている家庭なら、同じ税抜価格の商品を買い続けた場合、単純計算では月約3,200円、年間では約3万9,000円の差になります。
毎月の差だけを見ると数千円でも、1年間で考えると無視しにくい金額です。
ただし、この計算には大切な前提があります。
商品の税抜価格が変わらないと仮定した単純計算であり、実際の販売価格がこの金額だけ下がることを保証するものではありません。
原材料費や物流費、人件費などで本体価格が変われば、実際に家計で感じる負担減も変わります。
「税率が8%から1%になる=スーパーの商品が全部7%安くなる」と考えないほうがよさそうです。
1%がずっと続くわけではない
もう一つ確認しておきたいのが期間です。
今回示されている1%への引き下げは、恒久的な制度ではなく2027年4月1日から2年間の経過措置です。
政府は2029年度から「所得に連動したきめ細かな給付」を導入する方針で、それまでのつなぎとして食料品の税率引き下げと給付を組み合わせます。
そのため、家計を考えるときも「これからずっと食料品が1%になる」と前提にするのではなく、期間限定の措置として見ておく必要があります。
今はまだスーパーの税率が変わったわけではない
今回のニュースで一番大切なのは、政府の基本方針が示されたことと、今日から税率が変わることは別だという点です。
2026年8月20日現在、食料品の軽減税率はまだ8%です。
今後、制度の詳細や必要な法整備などが進められるため、実際に始まるまでには新しい情報が出てくる可能性があります。
私自身、「実質ゼロ」という言葉だけを見たときは、単純に食料品の消費税が0%になる話だと思っていました。
ところが公的資料まで確認すると、1%への税率引き下げと所得に連動した給付を組み合わせる制度だと分かります。
税金のニュースは、見出しだけでは「もう決まったのか」「いつからなのか」が分かりにくいことがあります。
今の段階では、普段の買い物はこれまでどおり8%。そして2027年4月から予定されている制度については、今後決まる具体的な内容も確認していく。
この2つを分けて考えておくのがよさそうです。
※この記事は2026年8月20日時点で公表されている情報をもとに作成しています。今後の制度設計や法令等によって内容が変更される可能性があります。
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参考にした公的情報
・内閣官房「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』(政府の基本方針)について」
・国税庁「消費税の軽減税率制度」
・国税庁「消費税および地方消費税の税率」
・財務省「消費税率引上げについて」



