食料品1%でも対象外がある?外食・お酒・みりんで分かる税率の境界線

食料品の消費税が1%になるなら、スーパーやコンビニで買う「食べるもの・飲むもの」は全部対象になるのでしょうか。

食料品の1%対象と対象外を考える買い物のイメージ

実際には、そうではありません。

政府が2027年4月から1%に引き下げる方針を示しているのは、現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品です。

そのため、一般的な食料品やテイクアウトは対象になる一方、外食、酒類、ケータリングなどは対象外です。

さらに、同じように見える商品でも違いがあります。

例えば、ビールは対象外でもノンアルコールビールは対象。みりんは対象外でも、みりん風調味料は対象になる場合があります。

そして今回確認して個人的に少し残念だったのが、ペットフードは対象外だということ。猫や犬にとっては毎日の大切な食事ですが、税制上の「飲食料品」は人が飲んだり食べたりするものを基準にしているためです。

食料品1%の対象を考えるときは、「食べるものだから」ではなく、今の軽減税率で8%になっているかを見ると分かりやすくなります。

食料品1%の対象は「今8%のもの」が基本

現在、日本の消費税には10%の標準税率と8%の軽減税率があります。

国税庁によると、軽減税率の対象となる飲食料品は、原則として酒類を除く、人の飲用または食用に供される食品です。

外食やケータリングなどは含まれません。

今回の1%への引き下げも、この「現在、軽減税率の対象になっている飲食料品」を基準とする方針です。

代表的なものを並べると、違いが分かりやすくなります。

買うもの・利用方法現在の扱い1%方針の対象
一般的な食料品8%対象
テイクアウト8%対象
店内飲食・外食10%対象外
酒類10%対象外
ノンアルコールビール8%対象
みりん10%対象外
みりん風調味料8%対象
ペットフード10%対象外

※1%への引き下げは今後実施予定の政府方針をもとにした区分です。個別の商品については表示や商品の分類によって確認が必要な場合があります。

テイクアウトは対象、店内飲食は対象外

テイクアウトと店内飲食で異なる軽減税率の扱い

同じ料理でも、持ち帰るのか店内で食べるのかによって現在の税率は異なります。

例えば、飲食店でお弁当を買って持ち帰るテイクアウトは、飲食料品の販売として8%の軽減税率が適用されています。

一方、店内のテーブルや椅子などの設備を利用して食べる場合は「外食」となり、10%です。

コンビニなどにイートインスペースがある場合も、商品を提供する時点で持ち帰るのか、店内の飲食設備を利用するのかによって判断されます。

宅配や出前も、単に食品を届けるだけなら軽減税率の対象です。

ただし、指定された場所で料理を盛り付けたり、配膳したり、給仕したりするケータリングは原則として対象外になります。

同じ料理でも、食品を販売しているのか、食事を提供するサービスなのかで違いが出るわけです。

お酒は対象外でもノンアルコールは対象になる

ビール、ワイン、日本酒など、酒税法上の「酒類」は軽減税率の対象外です。

食料品の税率が1%になっても、酒類まで1%になるわけではありません。

一方、ノンアルコール飲料は扱いが異なります。

例えば、酒税法上の酒類に該当しないノンアルコールビールなどは、飲食料品として軽減税率の対象になります。

同じ売り場に並んでいて見た目も似ていますが、

ビールは対象外、ノンアルコールビールは対象

という違いがあります。

「飲み物なら同じ」と考えるのではなく、酒類に該当するかどうかがポイントになります。

みりんとみりん風調味料でも税率が違う

料理に使う調味料にも、少し意外な違いがあります。

酒税法上の酒類に該当するみりんは、軽減税率の対象外です。

一方、アルコール分が1度未満の「みりん風調味料」は酒類に該当しないため、飲食料品として軽減税率の対象になります。

また、アルコール分が1度以上でも、塩などを加えて飲用できないようにした発酵調味料などは、酒類に該当せず対象となる場合があります。

私はスーパーでみりんを選ぶとき、「本みりん」と「みりん風調味料」の違いは味や価格くらいしか意識していませんでした。

税率の扱いまで違うと知ると、見た目や使い方が似ている商品でも、税制上は同じとは限らないことがよく分かります。

栄養ドリンクや健康食品はどうなる?

飲む商品でも、医薬品や医薬部外品として販売されているものは別です。

国税庁が示す飲食料品には、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は含まれていません。

そのため、例えば医薬部外品に該当する栄養ドリンクは対象外です。

一方、健康食品などでも、食品として販売されている商品であれば軽減税率の対象になることがあります。

ここでも「飲めるかどうか」だけでは判断できません。

商品のパッケージに「医薬部外品」と表示されているかなど、商品そのものの分類を見る必要があります。

猫や犬のペットフードが対象外なのはなぜ?

今回、私が一番「これは残念……」と思ったのがペットフードでした。

スーパーやホームセンターで普段の食料品と一緒に買うこともありますし、猫や犬にとっては間違いなく毎日の「ごはん」です。

でも、消費税の軽減税率でいう食品は、「人の飲用又は食用に供されるもの」が基準です。

人の食料品とペットフードで異なる軽減税率の扱い

そのため、犬や猫などのために販売されているペットフードは、現在の軽減税率の対象ではありません。

つまり、現在の政府方針を前提にすると、食料品が1%になってもペットフードはその対象には入りません。

ペットと暮らしている家庭ではフード代も毎月かかります。人の食費と一緒に考えてしまいそうですが、税制上は別扱いだと覚えておいたほうがよさそうです。

「食べ物=対象」ではなく、誰が食べるための商品として販売されているのかも境界線の一つです。

おまけ付きのお菓子は?食品とおもちゃがセットの場合

さらに少し特殊なのが、お菓子とおもちゃなどがセットになって、一つの価格で販売されている商品です。

税法では、このように食品と食品以外のものがあらかじめ一体となっている商品を「一体資産」と呼びます。

お菓子が入っているからといって、必ず全体が軽減税率になるわけではありません。

現在のルールでは、

税抜価格が1万円以下

かつ、

商品の価値のうち食品部分が3分の2以上

という両方の条件を満たす場合に、商品全体が軽減税率の対象になります。

条件を満たさない場合は、原則として全体が標準税率の対象です。

普段の買い物で消費者が自分で食品の割合を計算する必要はありませんが、「食品が少し入っていれば全部8%」という仕組みではないことは知っておくと分かりやすいと思います。

スーパーやコンビニで買う場所だけでは判断できない

食料品1%という言葉だけを見ると、スーパーやコンビニで売られている食べ物や飲み物が広く対象になるように感じます。

でも実際には、買う場所だけで判断することはできません。

テイクアウトと店内飲食、ビールとノンアルコールビール、みりんとみりん風調味料のように、似ている商品やサービスでも扱いが異なります。

そして、個人的にはペットフードが対象外だったことが一番印象に残りました。猫や犬にとっては食事でも、税制上の「飲食料品」は人が食べたり飲んだりするものが基準だからです。

今回確認してみて、一番シンプルだと感じたのは、「食べ物っぽいか」ではなく「現在8%の軽減税率が適用されているか」から考えることでした。

なお、食料品の1%への引き下げは2026年8月20日時点ではまだ実施前です。

今後、制度の詳細や法令などによって内容が変わる可能性もあります。実際に制度が始まる際には、最新の国税庁や政府の情報を改めて確認したいと思います。

※この記事は2026年8月20日時点で公表されている政府方針と、現在の消費税軽減税率制度をもとに作成しています。個別の商品や取引の税率は、商品の分類や販売・提供方法などによって異なる場合があります。

あわせて読みたい

参考にした公的情報

・国税庁「消費税の軽減税率制度」
・国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」
・国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」
・国税庁「消費税軽減税率制度の手引き」

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