親子のお金で贈与税に困らないために|普段からしておきたい7つのこと
親から生活費をもらったり、学費を払ってもらったりすることは、珍しいことではありません。
一方で、車の購入代金を出してもらったり、住宅ローンを代わりに払ってもらったりすると、「これも家族のお金だから大丈夫なのだろうか」と迷うことがあります。
私も贈与税について勉強するまでは、「年間110万円を超えなければ大丈夫」という程度の知識しかありませんでした。
でも実際には、お金の金額だけではなく、何のためのお金なのか、いつ渡したのか、本当に貸したお金なのかといった点も大切です。
先に、普段から意識しておきたいことを簡単にまとめると次のようになります。
生活費・学費 → 必要なときに必要な分を使う
車・住宅など大きなお金 → 渡す前に贈与税を確認する
年間110万円 → 「1人から110万円」ではなく、その年にもらった贈与を合計して考える
親から借りる → 返済条件を決め、実際に返済する
家族間のお金 → 振込記録や領収書をできるだけ残す
贈与税で困らないためには、特別な節税方法よりも、こうした基本を普段から意識しておくことが大切です。
生活費や学費は必要なときに使う
親が子どもの生活費や教育費を負担したからといって、すべてに贈与税がかかるわけではありません。
国税庁では、扶養義務者から受ける生活費や教育費のうち、通常必要と認められるものについては贈与税がかからないとしています。
ただし、「生活費」という名前でお金を渡せば何でも非課税になるわけではありません。
生活費や教育費として受け取ったお金を預金したり、別の財産を買うために使ったりした場合には、贈与税の対象になることがあります。
そのため、学費なら学校への支払い時期に合わせる、生活費なら毎月必要な分を負担するなど、必要なときに必要な分を使うという考え方が分かりやすいでしょう。
車や住宅など大きなお金は、渡す前に確認する
注意したいのは、生活費とは違うまとまった金額の援助です。
たとえば、子どもが車を買うときに親が200万円を渡すケースを考えてみます。
家族の中では「車を買うのを手伝っただけ」という感覚でも、そのお金が税務上どのように扱われるかは別の話です。
住宅の頭金を出してもらう、住宅ローンを代わりに返済してもらうといったケースも同じように注意が必要です。
こうした大きなお金は、
「とりあえず振り込んでもらって、あとで調べる」
のではなく、
「このお金を受け取ったら贈与になるのか」を先に確認する
という順番にしたほうが安心です。
住宅取得などでは、その時点で利用できる制度や適用条件が関係する場合もあります。
金額が大きいときほど、送金や契約の前に税務署や税理士などへ確認しておきたいところです。
「年間110万円以下なら何でも大丈夫」とは限らない
贈与税でよく知られている数字が「110万円」です。
暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までに贈与でもらった財産を合計し、そこから基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。
つまり、暦年課税の場合、1年間に受けた贈与の合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
ただし、ここで覚えておきたいのは、単純に「毎年110万円以下に分ければ何でも大丈夫」という意味ではないことです。
たとえば、最初から
「毎年100万円を10年間渡す」
という約束をしていた場合、その約束自体が定期的にお金を受け取る権利の贈与として扱われることがあります。
一方で、毎年その都度贈与する意思を確認して100万円を渡している場合は、それぞれの年の贈与として扱われます。
110万円という数字だけではなく、どのような約束でお金を渡したのかも大切です。
父と母から110万円ずつなら220万円まで大丈夫?
ここは特に勘違いしやすいところです。
暦年課税では、1年間にもらった贈与を合計して考えます。
たとえば、
父から80万円
母から80万円
を同じ年にもらった場合、合計は160万円です。
「父から110万円、母から110万円だから220万円まで大丈夫」という考え方ではありません。
複数の人から贈与を受けた場合も、その年に自分が受け取った贈与をまとめて確認する必要があります。
親から借りるなら、借用書だけで終わらせない
親からまとまったお金を「もらう」のではなく、「借りる」こともあります。
親子間でも、本当に貸し借りが行われ、返済しているのであれば、借りたお金そのものがすぐに贈与になるわけではありません。
ただし、
「余裕ができたら返せばいい」
「借用書は作ったけれど、一度も返していない」
という状態では、実際には贈与ではないかと判断される可能性があります。
そのため、親からお金を借りる場合は、
いくら借りたのか
いつ借りたのか
どのように返すのか
実際に返済しているか
が分かるようにしておくことが大切です。
借用書を作るだけで安心するのではなく、銀行振込などで実際の返済記録も残しておくほうが、後から確認しやすくなります。
家族のお金でも記録を残しておく
家族の間でお金を渡すたびに、領収書や記録を残している人はそれほど多くないかもしれません。
ただ、金額が大きくなるほど、
「これは何のお金だったのか」
「もらったのか、借りたのか」
「いつ支払ったのか」
が後から分からなくなることがあります。
学費なら学校の請求書や領収書、親から借りたお金なら振込記録、住宅などの資金援助なら契約書類を残しておくと、お金の流れを確認しやすくなります。
特に大きな金額を現金だけで受け渡すと、後から経緯を確認しにくくなるので注意したいところです。
贈与税対策は「税金を払わない方法」を探すことではない
贈与税対策という言葉を見ると、「どうすれば税金を払わずにお金を渡せるか」と考えてしまいがちです。
でも今回いろいろ確認してみて、私が一番大事だと思ったのはもっと基本的なことでした。
生活費や学費なら必要なときに使う。
大きなお金なら渡す前に税金を確認する。
借りたお金なら実際に返す。
何のためのお金だったのか分かる記録を残す。
特に親子の間では、お互いに信用しているからこそ、お金のやり取りが曖昧になりやすいものです。
「家族だから大丈夫」と考えるのではなく、家族だからこそ、後から説明できる形にしておく。
これが、贈与税で思わぬ問題を増やさないために、普段からできる一番現実的な備えだと思います。
※この記事は一般的な贈与税の仕組みをもとにまとめたものです。実際の課税関係は金額、資金の使い道、契約内容、家族関係などによって異なる場合があります。個別のケースについては、税務署や税理士などの専門家へご確認ください。
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👉親に大学の学費を払ってもらったら贈与税?「110万円を超えたら課税」とは限らない
👉親に車を買ってもらったら贈与税はどうなる?購入前に知っておきたいこと
参考資料
国税庁👉「贈与税がかかる場合」
国税庁👉「贈与税の申告等」
国税庁👉「親から金銭を借りた場合」



