親の家を相続したら固定資産税はいくら?まず確認したいのは納税通知書
私も相続について調べるまで、古い家なら固定資産税もかなり安くなるのでは、という程度に考えていました。
ところが実際には、家の築年数だけでは判断できません。
先に結論を書くと、親の家を相続した後の固定資産税を知りたいなら、まず前年の固定資産税・都市計画税の納税通知書を見るのが一番分かりやすいです。
手元に納税通知書があるなら、最初に見るのは年税額です。
次に、同封されている課税明細書で土地と家屋の評価額と課税標準額を見ます。
つまり、これまで実際にいくら課税されていたのかを知りたいだけなら、最初から自分で税額を計算する必要はありません。
ここを押さえておくだけでも、相続後に毎年どのくらいのお金が出ていくのか、かなりイメージしやすくなります。
固定資産税は評価額に1.4%を掛けるだけではない
固定資産税は基本的に、
課税標準額 × 税率
で計算されます。
固定資産税の標準税率は1.4%です。
ただ、私が最初に分かりにくかったのは、「評価額×1.4%=実際に払う固定資産税」とは限らないことでした。
特に住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。
住宅1戸につき200㎡までの小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準額が価格の6分の1になります。200㎡を超える一定の住宅用地については3分の1です。
これは千葉市など自治体の案内でも確認できます。土地については負担調整措置もあるため、評価額だけを見て自分で単純計算すると、実際の税額と合わないことがあります。
私はここを読んで、ようやく「評価額そのものではなく、実際に税率を掛ける課税標準額を見る必要があるんだ」と理解できました。
そのため納税通知書を見るときは、
評価額はいくらか
だけで終わらせず、
課税標準額はいくらか、年間の税額はいくらか
まで見るほうが実際の負担をつかみやすいです。
納税通知書では土地と家屋を分けて見る
固定資産税の納税通知書には、課税明細書が添付されていることがあります。
自治体によって書式は異なりますが、土地と家屋が分けて記載され、所在地、面積、評価額、課税標準額などを確認できます。
親の実家だけだと思っていたら、別の土地や建物が記載されていることも考えられます。
逆に、家の中を探しても納税通知書が見つからないからといって、「固定資産税がかかっていない」と判断するのは早いです。
書類が見当たらない、数字の意味が分からない、どの不動産が課税対象なのか分からない場合は、不動産がある市区町村の固定資産税担当窓口に問い合わせる方法があります。
実家が遠方にある場合は、現地へ行く前に手元の税金関係の書類をまとめておくだけでも、その後の整理がしやすくなります。
固定資産税だけでなく都市計画税が加わることもある
納税通知書を見ると、固定資産税とは別に都市計画税が記載されている場合があります。
都市計画税は、都市計画区域のうち市街化区域内にある土地や家屋などが対象になります。
たとえば千葉市では、都市計画税は毎年1月1日現在の土地・家屋の所有者に課税され、課税標準額に税率を掛けて計算します。
そのため、
「固定資産税だけなら年間○万円だから大丈夫」
と考えるのではなく、納税通知書に書かれている年間の負担全体を見るのが大切です。
相続した実家をそのまま所有するつもりなら、毎年の維持費を考えるうえでこの金額は無視できません。
古い実家だから固定資産税もほとんどかからない、とは限らない
これは私が勉強する前に持っていたイメージと少し違ったところです。
建物は古くなるほど評価額が下がっていく印象があるので、築年数の古い実家なら固定資産税もかなり少なくなるように思えます。
でも固定資産税は家屋だけでなく土地にもかかります。
土地の評価額や課税標準額、住宅用地の特例なども関係するため、「築40年だから税金は安い」といった判断はできません。
特に土地の価値がある地域では、建物が古くても土地分の税負担が残ります。
だから親の家を今後どうするか考えるときも、築年数だけではなく、現在の納税通知書に書かれている年間の税額を見るほうが現実的です。
空き家をすぐ解体すると固定資産税が変わることがある
誰も住まない実家を相続すると、
「使わないなら建物を壊して更地にしたほうがいいのでは」
と考えることもあります。
ただし、ここは固定資産税との関係を知ってから判断したほうがよさそうです。
住宅用地の特例は、毎年1月1日時点で住宅の敷地として使われている土地が対象です。住宅を取り壊したことで条件を満たさなくなると、原則として住宅用地の特例が受けられなくなる場合があります。
つまり、
建物を壊せば固定資産税も必ず安くなる
とは限りません。
実際に千葉市でも、空き家を除却して更地にすると住宅用地特例が外れ、固定資産税などの負担が増えることが空き家放置の一因になっていると説明しています。
解体を考えるなら、解体費用だけでなく、その後の土地の固定資産税がどう変わるかも市区町村に聞いてから決めたほうが安心です。
親が亡くなった年の固定資産税は誰に課税される?
固定資産税は原則として、毎年1月1日現在の所有者に課税されます。
そのため年の途中で親が亡くなった場合でも、その日を境に自治体が固定資産税を月割りにして相続人へ新しく課税し直す、という単純な仕組みではありません。
まずは、その年の納税通知書が誰宛てに届いているのか、何期分まで支払われているのかを見ておくと分かりやすいです。
相続人が複数いる場合には、残っている税金を誰が実際に負担するのかという話も出てきます。
ここは「年間いくらかかるか」とは別の問題なので、相続人同士での確認が必要になります。
固定資産税を払っていても相続登記は別に必要
もう一つ、調べていて混同しやすいと感じたのが固定資産税と相続登記です。
相続人が固定資産税を支払い始めても、それだけで不動産の登記名義が自動的に変わるわけではありません。
2024年4月1日から相続登記の申請は義務化されました。
相続によって不動産を取得したことを知った場合、原則としてそのことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、2024年4月1日より前に相続したことを知っていて、まだ相続登記をしていない不動産については、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。
調べていて、この二つは別々に考えたほうが分かりやすいと感じました。
固定資産税は「毎年かかるお金」の確認。
相続登記は「不動産の名義」の手続き。
税金を払っているから登記も終わっている、とは考えないほうがよさそうです。
相続した家は「毎年いくら出ていくか」まで見ておきたい
親の家を相続すると、どうしても相続税や登記費用など、最初にかかる大きなお金に目が向きます。
でも家を所有し続けるなら、固定資産税はその後も毎年かかります。
さらに空き家として維持する場合には、火災保険、庭木の手入れ、修繕、電気や水道など、別の費用が残ることもあります。
だから、
「この家を相続できるか」だけでなく、「持ち続けたら毎年いくら必要なのか」まで見る。
これが実家の今後を考えるときには大事なのだと思います。
私自身、固定資産税について調べる前は評価額や税率から計算するものだと思っていました。
でも実際には、まず前年の納税通知書を探して年税額を見るほうがずっと簡単です。
そのうえで課税明細書の評価額と課税標準額を見る。
この順番なら、固定資産税に詳しくない人でも、相続後の負担をかなり具体的に把握できます。
親の家を相続したら、まずは家の中に残っている納税通知書を一度探してみる。
そこが、実家にこれからかかるお金を考える最初の一歩になりそうです。
※固定資産税・都市計画税の税率や取り扱い、住宅用地の認定などは自治体や不動産の状況によって異なる場合があります。実際の税額や相続後の手続きについては、不動産所在地の市区町村、法務局、必要に応じて税理士や司法書士などの専門家に確認してください。
あわせて読みたい
参考にした公的情報
・東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
・千葉市「固定資産税の税額計算」「住宅用地とその特例について」
・千葉市「都市計画税について知りたいのですが。」
・法務省「相続登記の申請義務化について」「相続登記の申請義務化に関するQ&A」



