耐震等級3は高くても選ぶ価値がある?1・2・3の違いと地震保険の割引
家を探していると、「耐震等級3」という言葉を見かけることがあります。
私も住宅について詳しくなかった頃は、数字が大きいほど地震に強い、という程度にしか考えていませんでした。
でも、耐震等級1・2・3には明確な違いがあり、条件を満たせば地震保険の割引にも関係します。
最初に簡単にまとめると、次のようになります。
| 耐震等級 | 耐震性能の目安 | 地震保険の耐震等級割引 |
|---|---|---|
| 等級1 | 建築基準法レベル | 10% |
| 等級2 | 等級1の1.25倍の地震力に対抗 | 30% |
| 等級3 | 等級1の1.5倍の地震力に対抗 | 50% |
耐震等級3は、住宅性能表示制度における耐震等級の中で最も高い等級です。
では、家を買うなら等級3を選んだほうがよいのでしょうか。
予算に余裕があり、長く住む家の耐震性能を重視するなら、耐震等級3は有力な選択肢になります。
ただし、等級3だから必ず選ぶべきというものではありません。
住宅会社によって価格差は異なりますし、土地の地盤、建物全体の性能、等級を証明できる書類があるかなども一緒に見る必要があります。
また、耐震等級3だから地震で絶対に壊れない、という意味でもありません。
家を買う側としては、数字の大きさだけでなく、その等級が何を意味し、どこまで証明できるのかまで知っておくと判断しやすくなります。
耐震等級1・2・3はどこが違う?
耐震等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度で定められている評価項目の一つです。
耐震等級1は、建築基準法で求められる耐震性能を満たすレベルです。
等級2は、等級1で想定する地震力の1.25倍、等級3は1.5倍の地震力に対抗できる性能とされています。
ここで少し注意したいのは、
「等級3は等級1より50%壊れにくい」
という意味ではないことです。
1.25倍、1.5倍という数字は、耐震性能を評価するときに想定する地震力の違いを示しています。
等級1は一番下の数字なので、「耐震性が低い家なのでは」と感じるかもしれません。
しかし、等級1は建築基準法で求められる耐震性能を満たすレベルです。
そのうえで、さらに高い耐震性能を求める場合に等級2や等級3が選択肢になります。
耐震等級3なら地震で壊れない?
耐震等級3は最も高い等級ですが、
「大きな地震が来ても絶対に被害が出ない家」
という保証ではありません。
実際の地震被害は、揺れの大きさだけでなく、地盤、建物の形、施工状態、築年数、その後の劣化など、さまざまな条件に左右されます。
また、建物が倒壊しなくても、内装や設備に被害が出て修理が必要になることがあります。
そのため、耐震等級だけを見て家の安全性を判断するのではなく、土地の地盤や周辺の災害リスクも含めて考える必要があります。
耐震等級は重要な判断材料ですが、それだけで住宅の安全性がすべて決まるわけではありません。
耐震等級3なら地震保険は50%安くなる?
住宅のお金という点で気になるのが、地震保険との関係です。
地震保険には「耐震等級割引」があり、条件を満たす住宅では、
耐震等級1 10%割引
耐震等級2 30%割引
耐震等級3 50%割引
が適用されます。
ただし、
「耐震等級3なら、どの家でも地震保険料が他の住宅の半額になる」
という意味ではありません。
耐震等級3の割引率は50%ですが、地震保険料の元になる金額自体は、建物の構造や所在地などによって異なります。
そのため、別の住宅と比べて保険料が必ず半額になるわけではありません。
また、耐震等級割引を受けるには、等級を確認できる所定の資料が必要です。
地震保険には耐震等級割引のほかに、免震建築物割引、耐震診断割引、建築年割引などがありますが、これらを重ねて使うことはできません。
住宅購入時には、
「耐震等級はいくつか」
だけでなく、
「その等級で地震保険の割引を受けられる書類があるか」
まで聞いておくと分かりやすいです。
「耐震等級3相当」は耐震等級3と同じではない?
家を探していると、
「耐震等級3相当」
という表現を見かけることがあります。
私は最初、「相当」と付いていても性能が近いなら、それほど違いはないのではと思っていました。
でも、住宅購入では言葉だけで同じと判断しないほうがよさそうです。
「耐震等級3」と表示されている場合でも、まずどの制度や評価書に基づくものなのかを見ます。
一方、「耐震等級3相当」は、必ずしも第三者機関による住宅性能評価を受けていることを意味しません。
設計上は等級3と同程度の性能を目指していても、住宅性能評価書などで正式な等級を証明できるかどうかは別です。
特に地震保険の耐震等級割引を利用したい場合は、
「3相当だから3と同じ」
と思わず、証明できる書類があるかを事前に聞いておくことが大切です。
住宅会社や不動産会社には、
「正式な耐震等級はいくつですか」
「住宅性能評価書など、等級を確認できる書類はありますか」
と質問すると分かりやすいと思います。
耐震等級3はどのくらい高くなる?
ここは、住宅を買う側としてかなり気になるところです。
ただし、耐震等級3にするための追加費用は住宅会社や建物の設計によって異なるため、
「等級3なら必ず○万円高くなる」
とは一律に言えません。
建物の形や構造、壁や柱の配置、使用する部材などによって必要な設計は変わります。
住宅性能評価を取得する場合には、そのための費用が別にかかることもあります。
そのため見積もりを取るときは、
「耐震等級3にした場合、いくら上がりますか」
だけでなく、
「その金額に住宅性能評価の取得費用は含まれていますか」
まで分けて聞いておくと比較しやすくなります。
住宅会社によっては、最初から耐震等級3を標準仕様としている場合もあります。
逆に、希望すると追加費用が必要になる場合もあります。
単純に等級だけを比べるのではなく、住宅全体の仕様と価格を一緒に見ることが大切です。
高くても耐震等級3を選ぶ価値はある?
これは、一律に「ある」「ない」と決めるのは難しいと思います。
例えば、数年で住み替える予定の家と、30年、40年と長く住む予定の家では、耐震性能に対する考え方も変わります。
地震が気になる地域で長く暮らす予定なら、購入時の価格差だけでなく、災害時の被害を抑えられる可能性や、地震保険の割引まで含めて考える価値があります。
一方で、耐震等級3に予算を使ったことで、断熱性能や日々の生活に必要な設備を大きく削ることになるなら、住宅全体のバランスも考えたいところです。
耐震等級3は「高いから安心を買う」というより、
自分たちが住宅にどこまでの耐震性能を求めるのか
を考えるための選択肢の一つだと思います。
中古住宅では耐震等級が分からないこともある
新築住宅では耐震等級をアピールしている物件をよく見かけますが、中古住宅では等級が分からないこともあります。
その場合は、住宅性能評価書など、耐震性能を確認できる書類が残っているかを不動産会社に聞いてみます。
ここで注意したいのが、
ホームインスペクションと耐震診断は同じではない
という点です。
ホームインスペクションは、住宅の劣化状況や不具合など建物全体の状態を調べるためのものです。
一方、耐震診断は、建物の耐震性能を調べることが目的です。
中古住宅の状態が気になる場合は、目的に応じてどちらが必要なのかを専門家に相談する方法があります。
また、
「新耐震基準の家だから耐震等級1だろう」
と自分で判断するのも避けたほうがよさそうです。
地震保険の割引を利用したい場合は、保険会社が求める条件や証明書類を確認する必要があります。
私なら「数字」より証明できる耐震性能を見る
住宅について調べる前は、耐震等級3と書いてあれば、
「とにかく地震に強い家なんだな」
という程度にしか考えていませんでした。
でも実際には、耐震等級1・2・3の違いだけでなく、
どの制度に基づいて評価されているのか
その等級を証明できる書類があるのか
地震保険の割引まで利用できるのか
まで見たほうが、住宅を比較しやすくなります。
耐震等級3だから絶対に安全というわけではありません。
それでも、数千万円をかけて長く住む家なら、価格や間取りだけではなく、建物がどの程度の耐震性能を持っているのかを知ってから選びたいところです。
耐震等級を見るときは、
「数字が大きいから安心」
で終わらせず、
「その耐震性能を何で確認できるのか」
まで見る。
それが、家を買ったあとに「もっと確認しておけばよかった」と後悔しないための一つのポイントになりそうです。
よくある質問
耐震等級1でも大丈夫ですか?
耐震等級1は、建築基準法で求められる耐震性能を満たすレベルです。
ただし、住宅にどこまでの耐震性能を求めるかは、地域、地盤、予算、住む予定の年数なども含めて考える必要があります。
耐震等級3なら地震保険は50%割引になりますか?
所定の条件を満たし、耐震等級3を確認できる資料があれば、耐震等級割引は50%です。
ただし、地震保険料の元になる金額は所在地や建物構造などによって異なるため、他の住宅と比べて保険料が必ず半額になるという意味ではありません。
耐震等級3と耐震等級3相当は同じですか?
同じと判断しないほうがよいでしょう。
「耐震等級3相当」と表示されていても、第三者機関による住宅性能評価を受け、正式な等級を証明できるとは限りません。
購入前に評価方法と証明書類の有無を聞いておくことが大切です。
耐震等級はどこを見れば分かりますか?
住宅性能評価書など、耐震等級を確認できる書類を見ます。
物件広告だけでは分からない場合は、不動産会社や住宅会社に、
「正式な耐震等級はいくつですか」
「それを証明できる書類はありますか」
と聞いておくと分かりやすいです。
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参考資料
国土交通省「住宅性能表示制度」
財務省「地震保険制度の概要」
一般社団法人 日本損害保険協会「地震保険」



