国民年金は前納するといくら安くなる?2026年度の保険料と6カ月・1年・2年を比較
国民年金について調べていて、最初に意外だったことがあります。
私は、収入が多い人ほど国民年金の保険料も高くなると思っていました。
ところが、国民年金の保険料は厚生年金とは仕組みが違い、基本となる保険料は定額です。
2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は月額17,920円。
さらに、毎月そのまま納めるだけではなく、6カ月、1年、2年分をまとめて前払いする「前納」を選ぶと割引があります。
2026年度に口座振替で前納する場合は、
6カ月前納:106,300円、1,220円割引
1年前納:210,530円、4,510円割引
2年前納:417,150円、17,370円割引
です。
2年前納では約1万7千円安くなりますが、一度に40万円以上を支払うことになります。
数字だけを見ると2年前納が一番お得です。ただ、実際に金額まで比べてみると、「割引が一番大きいから2年前納を選べばいい」と単純には決めにくいと感じました。
国民年金は2026年度も月17,920円、収入による違いはない?
国民年金の保険料を調べる前、私は収入によって金額が変わるものだと思っていました。
厚生年金は給与や賞与をもとに保険料が決まるので、国民年金も似た仕組みだと思いやすいからです。
しかし、第1号被保険者が納める国民年金の基本保険料は定額です。
2026年度は月17,920円で、年収が300万円だから安く、800万円だから高くなるという仕組みではありません。
国民年金の第1号被保険者には、自営業者、農業者、学生、無職の人など、厚生年金に加入しておらず第3号被保険者でもない人が該当します。
ただし、付加保険料を納める場合や、保険料の免除・納付猶予を利用している場合などは、実際の納付額や扱いが異なることがあります。
6カ月・1年・2年前納で実際にいくら安くなる?
毎月17,920円を納めると、1年間では215,040円です。
国民年金には一定期間の保険料を先にまとめて納める前納制度があり、前納期間が長くなるほど割引額も大きくなります。
2026年度の口座振替で比べると、次のようになります。
| 納付方法 | 納付額 | 毎月納付との差 |
|---|---|---|
| 毎月納付 | 月17,920円 | - |
| 6カ月前納 | 106,300円 | 1,220円割引 |
| 1年前納 | 210,530円 | 4,510円割引 |
| 2年前納 | 417,150円 | 17,370円割引 |
2年前納の比較額が単純な「17,920円×24カ月」ではないのは、2027年度(令和9年度)の保険料が月18,290円になるためです。
2026年度と2027年度を毎月納付すると2年間で434,520円。それに対して口座振替で2年前納すると417,150円になります。
実際の数字を見ると、6カ月前納は10万円以上をまとめて払って1,220円の割引です。
一方、2年前納になると割引はかなり大きくなります。
ここは「何円安くなるか」だけでなく、「そのために先にいくら必要なのか」も一緒に見る必要がありそうです。
国民年金の前納は口座振替のほうが安かった
もう一つ、調べていて分かりにくかったのが支払い方法による違いです。
前納なら、納付書でもクレジットカードでも口座振替でも同じくらい安くなると思っていました。
ところが、2026年度は口座振替の前納が最も割引額が大きくなっています。
たとえば1年前納の場合、口座振替なら210,530円で4,510円割引です。
一方、納付書やクレジットカードによる1年前納は211,220円で、割引額は3,820円です。
2年前納でも、口座振替のほうが割引額は大きくなっています。
さらに、「何十万円もまとめて払うのは抵抗がある」という場合には、口座振替の早割(当月末振替)もあります。
2026年度は通常の月17,920円に対して、早割なら月17,860円。月60円の割引です。
金額は小さいですが、大きな前納をせずに少しだけ負担を減らしたい場合には、こうした選択肢もあります。
2年前納は17,370円引き。でも41万円を先に払う
2年前納の割引額を見ると、「約1カ月分近く安くなるならいいかもしれない」と感じました。
でも、実際に必要な金額を見ると417,150円です。
40万円以上を一度に支払うと考えると、印象は少し変わります。
生活していると、家電の故障、車の修理、医療費など、予定していなかった支出が出ることがあります。
そのため、割引だけを理由に2年前納を選ぶよりも、前納したあとに手元のお金がどのくらい残るかまで考えたほうが現実的だと思いました。
たとえば、1年前納なら約21万円、6カ月前納なら約10万6千円です。
40万円以上をまとめて出すのは不安だけれど、21万円程度なら無理がないという家庭もあるでしょう。
逆に、手元資金に十分な余裕があるなら、2年前納の割引を利用する考え方もあります。
途中から前納を申し込むときは初回の引き落としに注意
前納額を見ると、その金額がいつでもそのまま引き落とされると思いがちですが、申し込む時期には注意が必要です。
口座振替の6カ月前納は基本的に4月末と10月末、1年前納や4月開始の2年前納は4月末に振り替えられます。
また、年度途中から前納を申し込むこともできますが、初回の振替日によって対象となる期間が変わります。
さらに、前納や早割を初めて利用する際には、前月分の保険料が一緒に振り替えられる場合があります。
そのため、「2年前納だから必ず417,150円が一度だけ引き落とされる」と決めつけず、実際に申し込む時点で日本年金機構の案内を確認したほうが安心です。
私なら割引額より「前納後にいくら残るか」で考える
今回、国民年金について調べ始めたきっかけは、「前納するとかなり安くなるらしい」という話でした。
ところが調べていくと、そもそも国民年金の基本保険料が収入によって変わるわけではないことや、同じ前納でも支払い方法によって割引額が違うことを知りました。
そして一番印象に残ったのは、2年前納の割引額よりも40万円以上を先に用意する必要があることです。
私ならまず、「前納したあとでも生活費や急な出費に備えるお金が十分残るか」を考えます。
そこまでまとめて出したくなければ1年前納、さらに負担を小さくしたければ6カ月前納でもいいと思います。
まとまった支出そのものを避けたいなら、毎月納付や早割を選ぶ方法もあります。
前納は確かに安くなります。
でも、割引額が最大かどうかより、家計に無理がないことのほうが大切ではないでしょうか。
なお、国民年金保険料を払うこと自体が難しい場合には、前納を考える前に保険料免除や納付猶予の対象にならないか確認する方法があります。未納のままにせず、年金事務所などで相談することも大切です。
国民年金の保険料や前納額は年度によって変わるため、実際に申し込む際には最新の金額と振替時期を確認してください。
今回調べる中で参考にしたもの
日本年金機構「国民年金保険料の前納」
日本年金機構「口座振替でのお支払い」
日本年金機構「国民年金の『第1号被保険者』、『第3号被保険者』とは何ですか。」
日本年金機構「令和8年度の国民年金保険料額」