賃貸事務所のエアコンが古すぎる…電気代が高くても大家さんに交換を頼める?
事務所で使っているエアコンが、かなり古いものです。
今のところ冷房も暖房も動いているので、故障しているわけではありません。それでも見るたびに、「これだけ古いエアコンなら、最近の機種より電気代が高いのでは」と気になっていました。
自宅なら自分で買い替えるという選択もできますが、ここは家賃を払って借りている事務所です。もともと設置されていたエアコンなら、勝手に取り外して新品に交換するわけにもいきません。
では、古いエアコンは本当に電気代が高くなりやすいのでしょうか。そして賃貸事務所の場合、大家さんに交換をお願いすることはできるのでしょうか。
先に結論からいうと、古いエアコンは新しい機種より省エネ性能が低い可能性があります。ただし、「古いから電気代が必ず高い」と年数だけで判断することはできません。
また、賃貸事務所では、エアコンが故障して修繕が必要な場合と、まだ使用できるエアコンを省エネ目的で新しくしたい場合では話が違います。
まず確認したいのは、
エアコンの型番・製造年・消費電力と、賃貸借契約書の設備・修繕に関する項目
です。
古いエアコンは新しい機種より電気代が高い?
エアコンは昔から同じ省エネ性能というわけではなく、長い間に効率改善が進んでいます。
資源エネルギー庁のトップランナー制度では、業務用エアコンについて、2015年度を目標年度とした基準で2006年度比約18.2%の効率改善が見込まれるとされています。
ただし、この18.2%は、
「2006年ごろのエアコンを現在の製品に交換すれば、電気代が必ず18.2%安くなる」
という意味ではありません。
業務用エアコン全体の省エネ基準に関する数字であり、実際の電気代は機種、能力、部屋の広さ、建物の断熱性、設定温度、使用時間などによって変わります。
それでも、かなり古いエアコンを長時間使用している事務所なら、現在の同程度の機種と消費電力を比べてみる価値はありそうです。
「10年以上前なら高い」と年数だけでは判断できない
私は最初、
「10年以上前のエアコンなら、今の製品よりかなり電気代が高いのでは」
と思っていました。
でも、単純に製造年だけを見ても正確な比較はできません。
たとえば同じ時期のエアコンでも、部屋の広さに合った能力なのか、業務用なのか家庭用なのか、どれくらいの時間運転しているのかによって使用電力量は変わります。
そこで確認したいのが、エアコン本体に書かれている情報です。
見るポイントは、
メーカー、型番(形名)、製造年、冷房消費電力、暖房消費電力
などです。
業務用エアコンでは、資源エネルギー庁が表示事項として形名、冷房能力、冷房消費電力、暖房能力、暖房消費電力、APF(通年エネルギー消費効率)などを定めています。
APFは、年間を通したエネルギー効率を表す指標の一つです。一般的には数字が大きいほど省エネ性能が高いと考えられます。
「かなり古そう」という見た目だけで判断するより、まず型番を確認したほうが確実です。
電気代が気になるなら消費電力から考えてみる
では、型番が分かったら何を見ればよいのでしょうか。
一つの目安になるのが消費電力です。
たとえば、運転中の消費電力を1.5kWとして、8時間使用したとします。
計算すると、
1.5kW × 8時間 = 12kWh
です。
つまり、その条件で8時間運転した場合の使用電力量は12kWhになります。
ただし、実際のエアコンは常に同じ消費電力で動き続けるわけではありません。室温が設定温度に近づけば出力が下がることもあるため、この計算はあくまで考え方を理解するための簡単な例です。
また、事務所の電気料金は契約している電力会社やプラン、契約電力などによって異なります。
そのため、
消費電力だけを見て「1日○円」「1か月○円」と全国共通の金額を出すことはできません。
実際に比較するときは、現在の電気料金明細とエアコンの仕様を一緒に確認するのが現実的です。
賃貸事務所なら大家さんが交換してくれる?
ここからが、私の事務所の場合に一番重要な部分です。
民法第606条では、賃貸人は原則として、賃借物を使用・収益するために必要な修繕をする義務を負うと定められています。ただし、借主側の責任で修繕が必要になった場合などは別です。
つまり、物件の設備として設置されているエアコンが故障し、通常の使用ができなくなった場合には、貸主側の修繕義務が問題になる可能性があります。
ただし、
「故障したエアコンの修理」と「まだ使える古いエアコンの交換」は同じではありません。
たとえば、
冷房がまったく効かない、電源が入らない、異常があり通常使用できない
という状態と、
普通に動いているものの、かなり古くて電気代が高そう
という状態では事情が違います。
後者の場合、「古いから省エネ型の新品に交換してほしい」という希望だけで、当然に大家さんに交換義務が生じるとは限りません。
事務所の場合は賃貸借契約書の確認が特に重要
賃貸住宅については、国土交通省の資料でも、通常必要となる修繕について貸主負担を原則とする考え方が示されています。
ただし、今回のような事業用の賃貸事務所は、住宅の賃貸借とまったく同じ条件とは限りません。
事業用物件では、設備の維持管理や修繕費用について、契約書で個別に取り決められていることがあります。
そのため、エアコンについて大家さんに相談する前に、まず賃貸借契約書を確認したほうがよさそうです。
私なら特に、
設備、修繕、原状回復、特約
と書かれている部分を確認します。
もともと付いているエアコンでも「設備」とは限らない
もう一つ気を付けたいのが、最初から部屋に付いているエアコンだからといって、必ず貸主が修理する設備とは限らないことです。
賃貸物件では、以前の借主などが残したエアコンが残置物として扱われているケースもあります。
残置物は貸主が設備として設置したものとは扱いが異なり、契約内容によっては、故障しても貸主が修理・交換せず、使い続ける場合の費用を借主が負担することがあります。
ただし、「残置物=必ず借主負担」と一律に決まるわけではありません。 修理や交換、撤去についてどのような取り決めになっているか、賃貸借契約書や特約を確認することが大切です。
だから、
「借りたときから付いていた=必ず大家さんが修理・交換する」
とは決めつけないほうがよさそうです。
契約書の設備一覧や特約に、エアコンがどのように記載されているかを確認しておくと安心です。
分からない場合は、管理会社や大家さんに、
「このエアコンは賃貸設備として扱われていますか。故障した場合の修理や交換はどのようになりますか」
と確認しておけば、実際に壊れたときにも話がしやすくなります。
古いだけでなく不具合があるなら早めに伝える
まだ動いているエアコンでも、以前とは様子が違う場合は注意したほうがよさそうです。
たとえば、
冷えにくくなった、異音がする、水漏れする、途中で止まる
などの症状があるなら、「古いけれど一応使える」で済ませず、管理会社や大家さんに状態を伝えておくほうが安心です。
特に真夏に完全に故障すると、修理や交換までの間、事務所で仕事をするのが難しくなることもあります。
自分で分解したり、勝手に交換工事を依頼したりする前に、まず貸主側へ連絡するのが基本です。
私の場合はまず型番を確認してみる
私の場合、今の段階ではエアコンは動いています。
だから、いきなり大家さんに「古いので新品にしてください」とお願いするよりも、まず現在使っているエアコンについて知るところから始めることにしました。
次に事務所へ行ったら、本体に付いているラベルを見て型番と製造年、消費電力を確認するつもりです。
型番が分かれば、現在販売されている同程度の能力のエアコンと仕様を比較できます。
もし省エネ性能にかなり差がありそうなら、その情報を持ったうえで、
「かなり古い機種のようですが、今後交換する予定はありますか」
と管理会社や大家さんに相談することもできます。
同時に賃貸借契約書を確認して、エアコンが物件の設備として扱われているのか、修繕についてどのような取り決めになっているのかも見てみるつもりです。
「古いエアコンだから電気代が高いはず」と決めつけるのではなく、型番と契約内容を確認してから考える。
賃貸事務所の古いエアコンについては、この順番が一番現実的だと分かりました。
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今回調べる中で参考にしたもの
・資源エネルギー庁「エアコンディショナー|トップランナー」
・e-Gov法令検索「民法 第606条」
・国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」

