水道料金はなぜ地域によって値上げ率が違う?成田市を見てわかった電気・ガスとの違い
最近、電気代やガス代、水道料金の値上げに関するニュースをよく見ます。
電気やガスは、補助金の終了や料金改定がニュースで説明されていて、値上がりする理由はなんとなくわかりました。
でも、水道料金のニュースを見ていて疑問に思ったことがあります。
「どうして水道料金は、地域によって値上げ率がこんなに違うんだろう?」
調べてみると、水道料金は全国一律ではなく、それぞれの水道事業者が地域の経営状況や施設の維持・更新費などをもとに設定しているため、値上げの時期も割合も地域によって違います。
つまり、ニュースで「水道料金○%値上げ」と見ても、全国の家庭が同じ割合で上がるわけではありません。
そこで、自分が住んでいる千葉県成田市についても確認してみました。すると、同じ成田市内でも住んでいる地区によって水道事業者が違うことがわかりました。
水道料金はなぜ今、値上がりしている?
水道事業では、古くなった水道管や浄水施設などを使い続けるための更新が必要です。
単に古い設備を交換するだけではありません。地震などに備えて水道管や施設の耐震化も進める必要があり、そのための工事費がかかります。
さらに近年は、資材価格や建設費、維持管理費なども上昇しています。
一方、全国的には人口減少などによって水の使用量が減り、料金収入が伸びにくくなることも問題になっています。
利用者が減ったからといって、道路の下にある水道管や浄水施設をすぐに減らせるわけではありません。
収入が減っても維持・更新しなければならない設備は残る。この状況が各地の水道事業の経営を難しくしています。
同じ値上げでも地域によって差が出る理由
調べてみると、水道事業は地域によって置かれている条件がかなり違いました。
水道管や施設がどれくらい古いのか、これからどれくらい更新が必要なのか、水の使用量や利用者がどう変化しているのか。ほかの水道事業者から水を購入している地域もあります。
さらに、前回いつ水道料金を改定したのかによっても状況は変わります。
長い間料金を据え置いてきた地域と、途中で料金を見直してきた地域では、同じ時期に必要となる改定幅が同じとは限りません。
そのため、「全国で水道料金が一斉に○%上がる」というより、それぞれの水道事業者が抱えている費用や収入、設備の状況によって値上げ率が変わると考えると理解しやすくなりました。
私が住む成田市を確認すると、同じ市内でも違った
「では、うちはどうなんだろう?」と思い、千葉県成田市の水道を確認してみました。
成田市では、成田・公津・八生・中郷・久住・豊住・遠山地区などが市営水道の給水区域です。
私が住んでいる並木町は公津地区に入り、成田市の市営水道を利用する地域です。
この市営水道では、2025年4月1日使用分から水道料金が約20%引き上げられました。
成田市によると、2020年度から4期連続で赤字決算となり、2023年度には繰越欠損金も発生。物価高騰に加えて、老朽化した施設や管路への対応など、今後も費用が必要になることから料金改定が行われました。
ところが、同じ成田市でも成田ニュータウンの中台・加良部・赤坂・橋賀台・吾妻・玉造は千葉県営水道の給水区域です。
こちらは2026年4月1日以降の使用分から料金が改定され、全利用者の平均改定率は18.6%となっています。
自分の地域まで確認してみて、ニュースに出ている値上げ率だけを見て「うちも同じだけ上がる」とは言えない理由がやっとわかりました。
成田市の市営水道は、これからまた上がる?
成田市が2026年に改定した「成田市水道事業ビジョン」には、今後の水道料金について気になる試算も掲載されています。
成田市は2025年度に料金改定を行いましたが、設備投資による減価償却費の増加などから、現在の料金水準を続けた場合、2030年度に再び純損失が発生すると見込んでいます。
そこで、2035年度まで健全な経営を維持するための財政試算として、2030年度に26%の料金改定を実施した場合のケースが示されています。
ただし、これは「2030年に26%値上げすることが決まった」という意味ではありません。
市の資料にも、料金改定は投資・財政計画上の推計であり、実際に改定する時期や改定率は、今後の給水収益の推移などを見ながら総合的に判断すると書かれています。
将来の水道料金についてニュースや資料を見るときは、すでに決まった値上げなのか、将来を考えるための試算なのかを分けて見る必要があります。
「うちの水道料金も上がる?」検索AIで確認するならこう聞く
今回調べてみてわかったのは、市区町村名だけで水道料金を判断できない場合があるということです。
同じ成田市でも水道事業者が違うように、まず自分の家がどの水道事業者の給水区域なのかを確認する必要があります。
検索AIや生成AIで確認するなら、次のように聞くと探しやすくなります。
「○○県○○市○○町に住んでいます。私の家の水道事業者はどこですか?2026年に水道料金の値上げはありますか?自治体や水道事業者の最新の公式情報を確認して教えてください。」
私の場合なら、
「千葉県成田市並木町に住んでいます。私の家の水道事業者はどこですか?2026年に水道料金の値上げはありますか?成田市や水道事業者の最新の公式情報を確認して教えてください。」
となります。
水道事業者を確認するために、最初から番地まで入力する必要はありません。まずは市区町村名と町名で確認し、必要に応じて自治体が公開している給水区域を調べる方法が安心です。
また、AIが「○%値上げされます」と回答しても、そこで終わりにせず、自治体や水道事業者の最新情報まで確認することが大切です。
これから水道料金の値上げニュースを見たときは、数字だけを見るのではなく、まず「自分の家はどこの水道事業者なのか」を確認する。
今回自分の地域まで調べてみて、それが一番わかりやすい確認方法だと感じました。
参考にした公的情報
・国土交通省 水道事業に関する資料
・成田市「令和7年4月1日より市営水道料金が変わります」
・成田市「計画給水区域」
・成田市「成田市水道事業ビジョン(2026年度~2035年度)」
・千葉県「県営水道の料金引上げについて」

